Coffee of Origins 〜エチオピア〜

エチオピア Ethiopia

国名の由来はギリシャ語のアイトスオプシア(陽に焼けた人の国)の意で、それが訛りエチオピアになったと言われている。

エチオピアの国旗は国章(ソロモンの星)を中央に配した緑、黄、赤の横三色旗であり、緑は大地、黄色は平和、赤は平和のために流された血、もしくは勇気や情熱を象徴している。

人口:約1億2千万人

面積:109.7万平方キロメートル

世界の生産量に占める割合:4.5%

生産国ランキング:世界第5位

収穫期:10月〜12月

主な品種:アラビカ種、SL原産のエアルーム系品種

主な生産地:ハラール、シダモ、リムおよびジマ、イルガチェフェ、レケンプティなど

 

エチオピアは古くからアラビカ種発祥の地と言われてきましたが、最近の研究では南スーダンからエチオピアに種が移動した説が有力と言われており「アラビカ種発祥の地」より「アラビカ種発見の地」が正しいと言われています。(諸説あります)

エチオピアでは「農園」の形態は少なく、規模の大きさや栽培方法により、ガーデン、フォレスト、セミフォレスト、プランテーションなどと呼ばれます。収穫から輸出までコーヒーに関わる人口は約1500万人。エチオピアコーヒーノキは野生に繁殖しており、それを小規模農家が収穫して大きな組合などに持ち込まれ精製されたのち輸出されます。

エチオピアには約3000種以上の品種が存在すると言われており、まだ発見されてないものが数多く存在すると言われています。また近年の気候変動によりコーヒーノキの野生種が絶滅し、遺伝子が失われつつある現在において、多くの品種が眠るエチオピアは「コーヒーの未来を握る鍵」とも言われています。

 

主な産地:

ハラール(標高1500~2100m)

砂漠のように乾燥したハラールのコーヒーは大地を連想する力強いアロマを感じられるのが特徴です。最高評価の豆はベリー系の味わいなのも特徴です。水が少なく、ほぼ全てがナチュラル処理されます。

 

シダモ(標高1400~2000m)

アバヤ湖の水の恵みを受けて青々した木々が広がるシダモ地区では柑橘系のフルーティな味わいのものや、ナッツの風味のもの、ハーブの香りが特徴のものなど様々な品種の木々が幅広く栽培されているのが特徴です。

 

リム、ジマ(標高1400~2000m)

この地区では、ウォッシュトを「リム」、ナチュラルを「ジマ」の銘柄で輸出されます。シダモよりマイルドで、多彩な味わいの豆が取れるのが特徴です。

 

イルガチェフェ(標高1750~2200m)

南部諸民族州に位置する小さなイルガチェフェ地区ではエチオピアを代表するコーヒーが生産されています。爽やかな柑橘(レモン)のような風味とフローラルな香りが特徴で口当たりが軽くバランスが取れた甘みがあります。

 

レケンプティ(標高1500~2100m)

ウォッシュト、ナチュラルの両方が生産されている。この地で選ばれたベストな豆はシダモやイルガチェフェのものに比べてもコク、甘さ、個性が強い傾向があります。

 

栽培方法:

プランテーション(大規模農場)

フォレスト、セミフォレスト(エチオピア西部の自生の木から栽培)

ガーデン(小規模農場)

プランテーションやガーデンは比較的品質が安定しているが、フォレスト、セミフォレストは自生の木から栽培されているため豆の大きさや形などが安定していないものが多い。フォレスト、セミフォレストは品質が安定しないかわりに、ものすごい美味しいコーヒーが採れることがある。

 

グレード:

エチオピアの豆のグレードはG1~G8まであり、G5以上が輸出されるが、日本にはG4より下のグレードは入らないと言われている。グレードは欠点豆の数で決められているのでグレードの良し悪しで味や品質が決まらないのが特徴。カッピングなどの品質などでグレーティングしないのは、フォレストなどで栽培された豆は、品質が不揃いで不安定なのでカッピングなどをしても当てにならないことが大きいと思われる。手間もかかるし。

 

(300g中の欠点豆の数)

G1:0個〜3個

G2:4個〜12個

G3:13個〜25個

G4:26個〜46個 以下略

(ただし、G1になるのはウォッシュトのイルガチェフェのみという条件があるようです)

 

以上、「アラビカ種発見の地」エチオピアの紹介でした。

 

最後まで一読いただきありがとうございました。